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東北大会決勝進出を決め、喜ぶ青森山田の選手たち
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 (18、19日、高校野球秋季東北大会準決勝 青森山田4―1花巻東=継続試合)

 3点リードの九回、七回から登板した青森山田の3番手下山大昂(だいこう)には、余力がたっぷりあった。

 先頭打者を直球2球で追い込むと、低めへの変化球を振らせて三球三振に仕留める。次打者は中直、最後は4番打者を三ゴロ。わずか8球で最終回を締め、「選抜に近づいた」とグラブをたたいた。

 東北地区の一般選考枠は「3」のため、来春の選抜大会出場が濃厚になった。

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 2年生右腕3人で3回ずつを投げ、被安打6に封じた。花巻東の佐々木洋監督は試合後、「3人ともすばらしいピッチャーで崩れる要素がなかった。それぞれ四死球を出さないし、ボールに力がある」と脱帽した。

 青森山田は今春の選抜で8強、夏の全国選手権では4強入り。前チームは最速153キロ右腕の関浩一郎が長いイニングを投げる大黒柱だった。代替わりした現チームの投手起用はがらっと変わった。

 「3本の矢」。戦国武将・毛利元就の教えを由来に、兜森崇朗監督が名づけた継投パターンだ。3投手の力を束ね、9回を守り抜く。

 先発は制球力が高い虎谷朔ノ助。横手の菊池統磨で打者の目線を変えつつ、終盤はエース下山を送り出す。東北大会3戦はすべて同じ順番のリレーで、3失点しか許していない。

 最速144キロの下山は今夏の甲子園で14回無失点に抑えた実績がある。兜森監督は「一番経験がある。先発完投もできると思いますが、後ろにいることでタイブレークも乗り切れるかなと」。

 20日は聖光学院(福島)との決勝に臨む。勝てば2年連続となる秋の東北王者だ。

 下山は「先輩から『お前らなら(日本一を)狙えるぞ』と言われている。神宮大会に行きたいし、選抜大会も確定させたい。もっと気持ちを上げて臨みたい」。(大宮慎次朗)

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