青森山田―沖縄尚学 力投する青森山田3番手の下山=滝沢美穂子撮影

(19日、第97回選抜高校野球大会1回戦、青森山田3―6沖縄尚学)

 青森山田の投手陣は3投手が3イニングずつ継投するのが特徴だ。エースの下山大昂投手(3年)は「三本の矢」の最後に登場する。

 0―1で迎えた五回、2番手投手が2死走者なしから失点を重ねていった。

 「自分が投げる場面だ」と思った。ただ、声はかからず。兜森崇朗監督は否定したが、「信頼感が少ないのかな」と思った。

 6点差の六回から登板した。直後の七回の攻撃で、自らのバットから反撃に転じた。2死満塁から左前へ2点適時打。「打撃には自信がない。みんなでつないでくれた好機なので気持ちで打った」

 この回、3点差にまで迫ったが、さらなる反撃とはいかず。下山選手が最後の打者になった。

 投球は、昨夏より勢いを増した直球と、新たに覚えたカットボールやツーシームを駆使し、3イニング44球を投げて無失点。3試合で先発した昨夏と合わせ、甲子園で17イニング、失点していない。

 昨夏、全国制覇した京都国際は、春の選抜初戦で青森山田に敗れた悔しさを力にした。

 当然、青森山田にそのチャンスはある。

 夏へ向けて、背番号1は正直な思いを口にした。「最後を任される責任は重い。ただ、先発して投げきりたい気持ちはある」

 そして力を込めた。「夏の甲子園でこの悔しさを晴らしたい」

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