とがったくちばしが見える。そうか、これは鳥か。なのに脚が4本ある。回り込んでみると、裏にもう1羽、鳥がいるのが分かる。なぜ、背中合わせにくっついているのだろう――。 紀元前の中国、殷(いん)の時代につくられた、ミミズクを模した青銅器「戈卣(かゆう)」だ。 出土した正確な場所は分かっていないが、泉屋博古館の山本尭(たかし)学芸員は「中国の南方でつくられたのではないか」とみる。殷王朝の拠点があった河南省で、文様や形が似ている青銅器が出土しているという。 古代中国で、夜は邪霊が動き…