静岡市の林道東俣線の土砂崩れ現場=市提供

 南アルプスに向かう静岡市葵区の林道東俣線で19日午前10時ごろ、土砂崩れが起き、通行できなくなったと市に連絡があった。南アルプスへの登山客やリニア中央新幹線関連の作業員らが下山できず、少なくとも約150人が宿泊施設「椹島(さわらじま)ロッヂ」で待機しているという。県と市は20日早朝からヘリを飛ばすなどして救出にあたる。

 午前10時ごろ、林道の管理業者から土砂崩れがあったと市森林政策課に連絡があった。崩落現場は市が管理する林道東俣線の起点から11.2キロ北に上った地点で、2022年9月の台風15号による土砂崩れの復旧工事現場近くだという。林道上に約700立方メートルの土砂が堆積しているとみられる。

 市消防局には午後2時半過ぎに、40代男性が熱中症のような症状になっているとの通報があった。現場周辺には雨雲がかかっていたため、天候の回復を待って午後5時前にヘリで救出し、病院に搬送した。

 林道はリニア関連の作業員や登山客らが使い、現場より上部に椹島ロッヂがある。午後5時現在で少なくとも147人がロッヂで待機しているほか、20日下山予定の届け出をしている登山客が23人いるという。

 県と市は20日早朝からヘリを飛ばし、一般登山客を優先して救出する。ほかに歩いて移動できるように、人が通れるだけの道路幅の確保を目指すという。土砂を撤去して車が通れるようになるには早くても2日ほどかかる見通し。

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