韓国の検察は26日、昨年12月に尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が出した「非常戒厳」をめぐり、尹大統領を内乱罪で起訴した。罷免(ひめん)の可否を判断する弾劾(だんがい)審判が憲法裁判所ですでに始まっているが、尹大統領は同時並行で刑事裁判のプロセスにも臨むことになる。
尹大統領は今月15日に高位公職者犯罪捜査庁(公捜庁)に大統領公邸で拘束され、19日に内乱の首謀などの疑いで正式に逮捕された。だが、公捜庁の取り調べを拒み続け、公捜庁は23日に起訴を求めて事件を検察に送った。
公捜庁は、尹大統領は金竜顕(キムヨンヒョン)前国防相や軍司令官らと共謀して昨年12月3日、非常戒厳を出して暴動を起こした、などとしていた。
公捜庁は23日の会見で「起訴するかどうかを決める検察が追加捜査をすることが、事件の真相究明のために効率的だと判断した」としていた。
これを受けて検察は23日、尹大統領の拘束期間の2月6日までの延長を求めてソウル中央地裁に期限延長を申請。検察は延長が認められれば、補完的な捜査として尹大統領の取り調べに乗り出す予定だった。
だが、同地裁は24日、公捜庁がすでに捜査をして送致した事件について、検察が捜査を続ける相当な理由がないなどとして、不許可を決定。検察は25日に再申請したが、同地裁は再び不許可とした。
聯合ニュースによると、検察は再申請が認められなかった場合に備えて起訴状の作成を進めていた。検察は延長なしに拘束できる期間は27日までとみて、その前の26日に起訴することを決めた。これに伴い、尹大統領の拘束は続くことになる。
尹大統領は公捜庁の取り調べを拒否。検察も尹大統領への取り調べができていないが、検察は尹大統領に非常戒厳の宣布を建議した金前国防相らをすでに起訴しており、韓国メディアによると、立証には問題がないとの立場だという。