韓国の南東部で3月21日以降続いていた山火事について、韓国政府は30日、全面的に鎮圧したと発表した。行政安全省によると、10日間続いた火災により死者は30人、けが人は45人にのぼり、人命被害としては過去最悪とみられるという。
火災があったのは慶尚北道や慶尚南道などで、焼失面積は約4万8千ヘクタールと東京23区の4分の3程度に及ぶ。韓国山林庁によると被害面積としても過去25年で最大規模となった。乾燥した空気と強風が被害拡大の原因と見られている。
この山火事で慶尚北道にある7世紀に建立されたとされる寺が焼けるなど、文化遺産や天然記念物などに被害が出た。一方、安東市にある世界文化遺産の「河回(ハフェ)村」にも一時火の手が迫ったが、その中にある伝統的家屋「韓屋」に被害はなかった。
多数のヘリが消火活動に投入され、このうち1機が墜落して操縦士1人が死亡した。