韓国政府は9日、今年3月と5月に朝鮮半島の西側と東側の海上でそれぞれ救助した北朝鮮住民計6人を海上で北朝鮮側に送還した。6人は韓国当局の調査に対し、北朝鮮に帰還する意思を示していたという。
統一省によると、北朝鮮住民らが乗った船は同日午前9時前に海上の軍事境界線にあたる北方限界線(NLL)を越え、待機していた北朝鮮の警備艇と約30分後に合流したという。
統一省関係者は「人道主義的な次元で安全かつ迅速に送還するという立場のもと、関係機関と協力して送還に努力してきた」とした。本人たちの意思を複数回確認し、送還まで安全に保護してきたとも強調した。
韓国政府は北朝鮮との連絡チャンネルが断絶しているなか、送還の方針を在韓国連軍司令部などを通じて伝えたが、北朝鮮側からの反応はなかったという。
韓国紙・ハンギョレは韓国政府が、北朝鮮住民をあまり長く留め置くと南北関係に不必要な誤解が生じかねないことを懸念したとみられる、と伝えた。6月に発足した李在明(イジェミョン)政権は朝鮮半島の緊張緩和や南北関係の改善に力を入れている。