2025年3月26日、ソウル高裁で無罪判決を受けたあと、立場を表明する最大野党・共に民主党の李在明(イジェミョン)代表(中央)=東亜日報提供

 韓国の進歩(革新)系最大野党・共に民主党の李在明(イジェミョン)代表が公職選挙法違反(虚偽の事実の公表)の罪に問われた裁判の控訴審で、ソウル高裁は26日、一審の有罪判決を破棄し、無罪(求刑懲役2年)を言い渡した。検察は大法院(最高裁)に上告する意向だが、逆転無罪の判決は次の大統領選の最有力候補と目される李氏にとって追い風となりそうだ。

 李氏は2022年の大統領選に絡み、都市開発をめぐる疑惑について虚偽の発言をしたとして一審で懲役1年執行猶予2年の有罪判決を受けたが、ソウル高裁は「誇張したと見ることはできるが、虚偽と見るのは難しい」などと判断した。

 「非常戒厳」をめぐり弾劾(だんがい)訴追された尹錫悦(ユンソンニョル)大統領に憲法裁判所が罷免(ひめん)を宣告した場合、60日以内に大統領選が行われるため、李氏の裁判の行方が注目されていた。一審判決は確定すれば被選挙権を10年間失う内容で、二審も有罪なら大統領選に向けて逆風になるとみられていたが、大きな危機を脱した形だ。

 李氏は21日に世論調査機関・ギャラップが発表した次の指導者を問う調査結果で36%とトップを走る。一方で、保守系の有力政治家らは1桁台にとどまっている。

 共に民主党は判決を歓迎し、李氏は「当たり前のことを引き出すために多くのエネルギーが使われた」などと検察や現政権を批判した。高裁に集まった議員の一人は「李氏が大統領候補となる前途が開けた。あとは尹大統領の罷免だけだ」と述べた。

 検察は上告する意向だが、大法院が尹大統領が罷免された場合の大統領選の前に判決を出すかは不透明だ。ただ、李氏はほかにも四つの刑事裁判を抱えており、世論の反発も根強い。

 保守系与党・国民の力は「自分たちの政治性向に合わせて裁判をした」(権性東(クォンソンドン)院内代表)と高裁を批判し、大法院での迅速な審理を求めた。

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