李康民・漢陽大名誉教授=2024年4月3日、ソウル、箱田哲也撮影
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 韓国で10日、総選挙の投票が始まった。選挙戦では、日本との関係をめぐる論戦はほとんどなかった。なぜなのか。日韓関係に詳しい韓国の専門家に話を聞いた。

 「わが国にはまだ清算されていない親日の残滓(ざんし)がたくさんある」「今回の総選挙は新たな韓日戦だ」。現地メディアによると、総選挙で公式運動期間が始まる前の3月22日、最大野党「共に民主党」の李在明(イジェミョン)代表は、日本との協力関係の強化を目指す尹錫悦(ユンソンニョル)政権と与党「国民の力」を厳しく批判した。

 李氏はこれまでも日本や尹政権の対日政策に、容赦なく辛辣(しんらつ)な言葉を浴びせてきた。

 長期にわたり日韓外交が対立する原因となった徴用工問題で、尹政権が昨年3月、韓国政府としての解決策を発表した際には、「歴史の正義を裏切る道を選択した」と批判。東京電力福島第一原発の処理水問題では「核汚染水放出は第2の太平洋戦争と記録されるだろう」とボルテージを上げた。

 しかし、実際の選挙戦では、ほとんど対日政策は取り上げられなかった。

 韓国最大の日本関係の学会で…

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