コロナ禍をへて成長が続く音楽ライブ市場。東海地方のエンタメを支えてきた老舗興行会社「サンデーフォークプロモーション」の伊神悟社長は「名古屋には弱点があった」と語る。現状や打開策などについて聞いた。
――音楽ライブ市場の状況はどうですか。
「ライブ・エンタメは、消費者の価値観が『モノからコト』、『コトからトキ』に移るなかで、その時、その場所での体験を共有する『トキ消費』の代表的なコンテンツです。公演がすべてストップしたコロナ禍により、お客さんもライブ配信に取り組んだアーティスト側も、リアルの価値観を改めて再認識する機会となりました。コロナ後も業界は右肩上がりに成長し、全国のライブ・エンタメ市場の規模は年間6千億円を超えました(一般社団法人コンサートプロモーターズ協会調べ)」
――名古屋で公演をしない「名古屋飛ばし」という言葉もありますが、実際にはどうですか。
「東名阪という言葉があるように、まず東京で動員があり、次に大阪で動員があり、そして名古屋が続く。エリアパワーに準じていて、音楽ライブについては、名古屋飛ばしというのはありません。ただ、名古屋には弱点があり、アーティストを呼びたくても呼べない『名古屋あきらめ』といえる状況がありました」
国内最大級のアリーナできたけれど…
――どんな弱点ですか。
「一つは、お客さんが2千人…