渋谷陽一さん=2011年撮影

 洋楽ロック批評誌「ロッキング・オン」を創刊し、音楽評論家、編集者、ラジオDJなどとして幅広く活躍した渋谷陽一(しぶや・よういち)さんが14日、死去した。74歳だった。会長を務めるロッキング・オン・グループの発表によると、2023年に脳出血で入院し、その後リハビリに取り組んでいたが、今年に入って誤嚥(ごえん)性肺炎を併発したという。

 1951年、東京都生まれ。71年に音楽評論家としてデビューし、72年に「ロッキング・オン」を創刊した。当初は読者による投稿を中心に構成し、リスナー自身が自分の思いも交えて自由にロックを語る場を作り出した。その後は、ミュージシャンの内面を深掘りしたインタビューなどで独自色を打ち出した。

 関心は洋楽にとどまらず、86年に邦楽ロック批評誌「ロッキング・オン・ジャパン」、89年にカルチャー誌「CUT」、99年には総合誌「SIGHT」も創刊した。

 大型ロックフェスティバルのプロデュースも複数手がけた。2000年に「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」(通称ロッキン)、03年に「COUNTDOWN JAPAN」の初開催を主導。いずれも23年に療養に入るまで総合プロデューサーを務めた。

 NHKのラジオ番組「ヤングジョッキー」「サウンドストリート」などで、ラジオDJとしても50年以上にわたり活動した。

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