国立感染症研究所(感染研)は28日、昨年12月に研究事業として実施した風疹の抗体検査で、80人に誤って他人の結果を送付していたと公表した。抗体を保有しているのに「陰性」だと伝えられた参加者5人が、その後、本来必要のないワクチンを接種していた。現時点で、大きな健康被害は確認されていないとしている。
この検査では、過去に風疹のワクチンの定期接種を受ける機会がなかった1962年4月2日~79年4月1日生まれの男性199人を対象に、昨年10~12月に血液の検体を採取した。感染研が風疹の抗体の量を測定し、抗体の量が十分な「陽性」か不十分な「陰性」かの結果などを参加者に送付していた。
このうち、12月に検体を検査した80人において、感染研職員の間でデータを受け渡す際に取り違えが生じ、他人の検査結果が参加者に送付されていた。24人は本来の検査結果が陽性なのに陰性、17人は陰性なのに陽性と伝えられ、ほか39人も結果の数値が本人のものではなかった。
今年1月に残っていた検体を別の方法で分析したところ、結果に食い違いが生じたため取り違えが発覚した。感染研は誤った結果が伝えられた参加者に対し、2月上旬までに経緯を説明し、謝罪した。
国は現在、この年代で抗体の…