ロシアのウクライナ侵攻や米トランプ政権の関税政策などで、金融市場が不安定になる中、金(ゴールド)の人気が高まっている。国内での販売価格は17日、史上最高値を更新。金市場は活況を呈している。
14日、東京都中央区の百貨店「日本橋高島屋S.C.」で最終日を迎えた「大黄金展」。黄金の「ミロのヴィーナス」像や純金製の脇差しなど1千点を超える金製品に、多くの客が見入っていた。
「金に対する通貨の価値が下がり続けていることが根本的な要因だ」。記事の後半では、専門家に金が高値をつけている背景を聞いています。
マーケティング会社会長の男性(77)は、妻(64)と「すごいね」「この仏像、いい顔してるね」と金製品を鑑賞。「昭和百年記念 日本橋高島屋」と記された純金製の小判(税込み110万円)が目に留まった。
限定100枚で残りは4枚。その場で購入を決めた。「今、金の価格が上がっているでしょう。売りはしないけど、記念に持っておこうと思って」
6日間の会期中、100組以上の客が金製品を買っていったという。使わなくなった指輪やネックレスなどの買い取りも約80件に上った。
主催者で金製品の製造・販売を手がける「SGC」の担当者は「値段に驚きながら、多くの方に日本の伝統である金工芸品の展示を楽しんでもらえた」と話す。
人気を裏打ちするように、金の価格は上昇を続けている。
地金商大手・田中貴金属工業によると、1グラムあたりの店頭小売価格(税込み)は17日、史上最高の1万6885円に。1日につけた最高値を半月で更新した。1年前(1万3099円)の1.3倍、5年前(6561円)の2.6倍にあたる。
金の価格はなぜ、ここまで高…