岐阜県高山市で14、15の両日にある「春の高山祭」(山王祭)を控え、豪華屋台の飾り付けがほぼ終わり、呼び物のからくりの稽古はピークを迎えている。
高山市上二之町で8日朝、土蔵の重い扉が1年ぶりに開き、高さ約7メートルの五台山(ごたいさん)が曳(ひ)き出された。「屋台やわい」と呼ばれる飾り付けのためだ。
絢爛(けんらん)豪華な屋台は雨でぬらすことはできない。五台山組は当初予定していたやわいを雪予報のため1週間延ばし、晴れたこの日午前にした。
組衆たちは木組みが見える中段に、江戸時代の絵師円山応挙の下絵とされる獅子ボタンの刺繡(ししゅう)幕を張った後、「雲龍昇天図」の見送り幕を上段からつるすなどした。約2時間半でやわいを終え、五台山を押して蔵に戻した。あとは当日に屋根の飾りを取り付ける程度だ。
「準備は万全。最高の天気で桜が満開のもとに、屋台を出せることを祈るばかり」と組総代の萱垣貴広さん(42)。
他の11台の屋台もやわいを7日までに済ませたという。
春の高山祭では三番叟(さんばそう)、石橋台(しゃっきょうたい)、龍神台(りゅうじんたい)の3台が、からくりを奉納する。
このうち石橋台は5日夜、人形を操る「綱方」の7人が稽古を始めた。美女が突然、獅子に変身して激しく動き、また美女に戻って舞うという演目だ。新しくしたばかりの扇を美女の頭に取り付け、24本の細い綱で操る人形の複雑な動きを確認した。
高校1年の山下修良さん(1…