がん治療での栄養治療の重要性について、患者や家族らに理解してもらおうと、日本栄養治療学会は「がん患者さんのための栄養治療ガイドライン2025年版」(金原出版、2420円)を発行した。
栄養治療とは、低栄養などの栄養障害に対して、口から摂取する内容を改善したり補ったり、点滴をしたりして健康な状態に戻すことを目的とした治療の一つ。適切な栄養治療で体重を維持することは、がん治療に伴う副作用や合併症を軽減し、治療を継続するために重要だという。
一方で、抗がん剤の影響で味覚障害になったりむかむかしたりして、食欲不振になるがん患者は少なくない。ガイドラインの中では「薬物治療」「手術前・後」「がん治療後」などに分けて解説。例えば薬物療法で起こる味覚障害について「塩やしょうゆを強く感じる、苦く感じる」場合は「だしを濃いめにしてみる」「乳製品を活用する」など、症状やそれに対する調理・献立・食べ方の工夫などを具体的に示している。
また、口腔(こうくう)ケア…