会見する群馬大学の石崎泰樹学長(中央)=2024年9月13日午後1時50分、前橋市の群馬県庁

 群馬大学は13日、来年4月に大学院修士課程「食健康科学研究科」を新設すると発表した。食の視点から健康で健全な人や環境、社会を目指す新しい学問領域で、同科の大学院設置は国内初になるという。

 同大は2017年に「食健康科学教育研究センター」を設置。21年には理工学部に「食品工学プログラム」を設け、高機能食品の開発などを行ってきた。こうした実績をもとに、理工学がベースの「食品工学」と医科学、保健学がベースの「健康科学」を横断して学び、食と健康に関する人材育成を目指す。

 同大は、内分泌・代謝学の共同利用や共同研究の拠点になっているほか、就労女性の健康状態などに関する国内唯一の大規模な研究などをしており、食健康科学を学ぶ上での強みがあるという。県内の食品関連産業からの強い要望もあり、文科省に設置を申請。8月末に許可が下りたという。

 来年度は40人を募集。出願は11月からで、12月に面接または口頭試問による入試を行う。履修期間は2年間だが、社会人が仕事をしながら学べるよう、届け出によって4年間まで延長することができる。学部を作る予定はないが、27年の博士課程設置に向けて準備を進めるという。

 石崎泰樹学長は「食に関する産業が盛んな群馬県の強みを生かして、イノベーションの創出をめざす。本学の研究の強みを生かし、群馬を元気にしたい」と話した。(星井麻紀)

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