福島県会津坂下町にある会津中央乳業で15日、「第3回飲みにくいヨーグルト早飲み世界大会」という催しがある。一見すると大げさなタイトルだが、回を重ねるごとに看板に偽りない大会に近づいている。

 競技は単純だ。福島県内の多くのスーパーで売られている「会津の雪ソフトクリーミィヨーグルト」(180ミリリットル)のプレーン味といちご味の計2本を飲み干すだけ。大人の部の優勝記録は2023年が1分26秒、2024年は26秒と1分も短縮された。

「第2回飲みにくいヨーグルト早飲み世界大会」で競い合う参加者たち=2024年6月16日、福島県会津坂下町、会津中央乳業提供
ソフトクリーミィヨーグルトは「プレーン」と「いちご」の2種類。紙パックにストローが付いている

 この商品は1981年に売り出された。大手乳飲料メーカーが出し始めていた紙パック入りの製造ラインを会津中央乳業も導入したが、牛乳を詰めるだけでは余力がある。そこで開発した「飲むヨーグルト」だ。

 飲むヨーグルトは一般的に脱脂粉乳を主原料にしているが、ソフトクリーミィヨーグルトは生乳が原料で濃厚さにこだわった。食べるヨーグルトより軟らかいが、購入者に振ってもらい液化することで付属のストローで吸えるようになる濃度に仕上げた。

会津中央乳業ではさまざまなヨーグルトが製造されている。ソフトクリーミィヨーグルト(中央)は右と同じ飲むタイプだが、製法は左の食べるタイプに近い

 記者が取材を始めたのは5月末。たまたま買ったものの、ほとんど吸い込めなかったのがきっかけだ。「よく振ってお飲みください」という表示を見つけて従ったが、やはりダメ。結局、パックをこじ開けて中身を食べた。

飲みにくさは有名、でも苦情はほとんど無し

 製法も味も当初のままで、そ…

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