福井県立大学初の学生ベンチャー企業が今年1月に誕生した。3月末まで海洋生物資源学部4年生だった村上雄哉さん(24)が起業し、昆虫の幼虫を加工したサーモン養殖用の飼料開発を目指す会社「sa―mo(サーモ)」(同県大野市)だ。
同県勝山市出身の村上さんは、中学時代から釣りに熱中。県立大海洋生物資源学部に進学し、養魚用のエサを研究してきた。釣りの腕前は一流で、20歳でアユ釣りの全国大会で準優勝し、大手釣り具メーカーとスポンサー契約を結んでいるほどだ。
村上さんは大学を卒業するまで、若狭の海や地元の九頭竜川などで釣りざんまいの学生生活を送りながら、県内の養魚場や水産業、飲食店、勝山市観光まちづくり株式会社(勝山DMO)の関係者と幅広く交流。勝山市の道の駅での魚のつかみ取り体験イベントを企画するなどして人脈を広げてきた。指導教官だった海洋生物資源学部の細井公富准教授は「自分から動いていく力、人と縁をつなぐ能力、突破力はものすごいものがある」と目を見張る。
淡水サーモンで実証実験
転機は、勝山市や大野市の淡…