日本ルーストの中野裕介社長=2025年4月14日午後3時16分、高松市、和田翔太撮影

 鶏のヒナの雌雄を人工知能(AI)を使って見分ける。そんな画期的な装置の開発を高松市のスタートアップ企業が進めている。これまで鑑別師の目で見分けていたが、高齢化などで担い手不足が課題となっており、持続可能な技術として実用化をめざしている。

 私たちの貴重なたんぱく源である卵や鶏肉。それを供給する養鶏の現場では、卵を産まないオスを見分けて効率的に生産を続けるため、孵化(ふか)後まもなく鶏の雌雄が鑑別される。また、地域ブランドとして付加価値を高める地鶏の開発においても、交配のため鑑別は欠かせない。

 しかし、その役割を担ってきた専門職「初生(しょせい)雛(ひな)鑑別師」は減少している。養成を担う公益社団法人畜産技術協会によると、鑑別師の数は2024年に131人。8年前と比べ52人も減った。海外で活躍する人もおり、国内登録数となると24年は89人にとどまる。四国には5人しかいない。

 養鶏業や地鶏開発の継続が危ぶまれる状況を打開しようと、AIを活用した性判定技術の開発に取り組んでいるのが、「日本ルースト」だ。中野裕介社長(49)が24年10月に立ち上げた。

 その装置は、ヒナの肛門(こ…

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