保育施設を視察する岸田文雄首相=2024年7月5日午前11時37分、千葉県松戸市の新松戸南部保育所、代表撮影

 通常国会が閉会し、岸田文雄首相が秋の総裁選を見据えた動きを活発化させている。再選の懸念材料の一つとされる地方票を取り込もうと精力的に全国を回り、子育てや経済、デジタル政策など政権の取り組みのアピールに躍起だ。しかし、党内では、支持率が過去最低水準に落ち込む首相の求心力の低下は止まらず、再選に意欲を示す首相への風当たりが日増しに高まっている。

 首相は5日、千葉県松戸市立の保育所を訪問し、保護者の就労要件を問わずに利用できる「こども誰でも通園制度」を試行する現場を視察。終了後、記者団に対し、虐待が疑われたり、医療的ケアが必要だったりする子どもを受け入れる保育所への補助単価加算を表明。「引き続き、様々なニーズを踏まえ、制度の本格導入に向けて準備していく」と強調した。

 誰でも通園制度は、6月に成立した「改正子ども・子育て支援法」に盛り込まれた。岸田政権が力を入れる少子化対策の柱の一つ。2026年度からの本格導入を前に支援拡充をアピールした。

 首相は、国会が事実上閉会し…

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