自民党が取りまとめた参院選総括では、敗因について「一言で言えば、『国民に寄り添い、暮らしの安心を確実に届けることができなかった』ことだ」「国民との意識の乖離(かいり)を起こしてしまった」と分析した。首相ら執行部の責任への言及は一切なく、「解党的出直し」のための具体策も乏しい内容にとどまった。
石破首相は総括について「虚心坦懐(きょしんたんかい)によく読んで、これからの糧にしていかなければならない」と語った。
総括では「自民党離れ」を招いた九つの要因のうち第1、2項目に、苦しい生活を送る国民の閉塞(へいそく)感や不安に応えられなかったことを挙げた。物価高対策として自民は現金給付を、野党各党は消費税などの減税を訴えたことに触れ、「野党の分かりやすい主張に対し、十分に対抗できなかった」「論戦で防戦に回ってしまった点は痛恨だ」と振り返った。
第3項目は派閥の裏金問題で、「自民党に対する不信の底流となっていることを厳しく自覚し、猛省をしなければならない」と記した。しかし、政治資金パーティー収入の議員への還流の開始・再開をめぐる実態解明や、先送りしている企業・団体献金の見直しの具体策は示さなかった。内閣支持率低下につながった首相自身の商品券配布問題への言及もなかった。
ちりばめた「わが党」「我々」
また、鶴保庸介参院議員の「…