都心に近いほど資金が不足しがち――。一般社団法人不動産流通経営協会(FRK、東京)が、みずほ銀行の口座データをもとにマンションの管理費と修繕積立金の合計額について分析したところ、そんな傾向が明らかになった。物件の販売のあり方に原因があるとみられるという。
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研究は、みずほ銀行と、東京大などが出資する東京大学エコノミックコンサルティング(UTEcon)が提案して行われた。研究チームは、首都圏を中心に1981年以前に旧耐震基準に沿って建てられたマンション1257物件の入金について、それぞれの物件の規模や立地条件に応じた、平均的な入金水準との差を調べた。
その結果、東京駅または新宿駅の近い方から5キロ以内にあるマンションの41・4%が資金不足に陥っていたのに対し、20キロ以上だと22.9%にとどまっていた。
老朽化したマンションをめぐっては、資金不足で修繕が十分にできず、資産価値を低下させるリスクが指摘されている。月々の積立金などはいくらが適正なのか、が把握しづらいことが一因とされている。
UTEconチーフエコノミストの宮川大介・早稲田大学教授は「物件は、都心ほど高額になる。販売しやすいように管理費や修繕積立金を抑えてしまい、資金が足りなくなっているのではないか」と分析する。
築年数や規模、最寄り駅までの距離… 立地条件に応じて入金水準を算出
今回の研究では、みずほ銀行…