和歌山県内有数のユズの産地、古座川町平井で1日、出荷場に持ち込まれたユズの今季の初しぼりがあり、辺りは爽やかな香りに包まれた。果汁はポン酢に加工されたり、県内の酒造所で使われたりするという。

 果汁をしぼる作業場があるのは、農事組合法人「古座川ゆず平井の里」。ユズは町内を中心とする約50戸の農家が、17~18ヘクタールの畑で生産した。今年の予想収量は65~70トンで、大豊作だった昨年の半分ほどだという。

 古座川のユズは、朝夕の寒暖差が大きい山間部で育つため、香りが強いという。そのユズを皮ごとローラーにかける「丸しぼり」で果汁をとる。皮は、マーマレードやスパイス、堆肥(たいひ)などに無駄なく使われる。

 この日の初しぼりは、1.3トンほど。搾汁作業は11月末まで続く。同法人の倉岡有美・代表理事は「農家さんが一生懸命つくったユズ。一つ一つ大切に扱いたい」と話した。(菊地洋行)

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