香川県さぬき市立志度中学校パソコン部の5人が、ウェブ作品を競う全国コンテストで2位になった。自分たちの問題意識をテーマにサイトや動画を作ってプレゼンテーションするもので、5人が選んだテーマは「香川の水不足から世界を考える」だった。
5人はいずれも3年生で、リーダーの白井悠真(ゆうま)さん、山下侑芯(ゆうしん)さん、茨皇翔(おうが)さん、阿久根立輝(りつき)さん、末広瑛士(えいと)さん。42人いるパソコン部員の中から集まった。
白井さんらが出場したのは「全国中学高校Webコンテスト」(特定非営利活動法人学校インターネット教育推進協会主催)。チーム戦でウェブ作品の制作過程や成果を競い、2月に東京であった最終審査でプラチナ賞(全国2位)に選ばれた。
独自性のあるテーマを探る中、白井さんらの頭に浮かんだのが「水不足」の問題だった。小学校のときの授業のほか、実体験のある大人からも話を聞いたことがあった。「香川の水問題は、世界にもつながる問題じゃないか」。そう考えた。
「やるなら1位を取ろう」(白井さん)。夏休みにメンバーで香川用水記念公園(三豊市)や早明浦ダム(高知県)などを訪れ、ダムの構造や水の流れを撮影した。
また、実際に渇水を体験した学校の先生にも話を聞き、県内のため池や過去の渇水状況もサイトにまとめた。内容を地元の渇水問題だけにとどめず、アフリカの砂漠化の問題まで視野を広げた。コンテストでは「現地調査を行い、情報の信頼性を高める工夫がなされている」と評価され、「地域課題に真剣に向き合った良い作品です」と、大学教授らから講評を受けた。
パソコン部に入った当初は5人ともプログラミングの初心者。「エラーが英語で出るから、意味がわからなかった」と山下さん。主にサイト作りを担当したが、一つのプログラムと3時間、格闘したこともあったという。
部の顧問を務める川田浩誉(ひろしげ)教諭(43)は、メンバーにアドバイスはほとんどしなかったという。「問題解決の方法を探すのは一つのトレーニング。パソコンとネット環境があればどこでも学習できる。環境を整えて応援してあげることが大切なんです」と話した。
5人の作品は、コンテストのサイトで公開されている(https://contest.japias.jp/tqj27/270007H/)。