天安門事件から35年となった2024年6月4日夜、香港のビクトリア公園では多くの警官がパトロールしていた=2024年6月4日午後8時36分、畑宗太郎撮影

 天安門事件から35年となった4日夜、香港のビクトリア公園で日本人男性が地元警察に一時連行された。警察は朝日新聞の取材に、同日夜に1人の日本人を連行し、その後釈放したと明らかにした。

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 香港メディアが報じた映像などによると、男性は公園内で太鼓をたたきながら読経した。男性は飯村行雄さんとみられる。

 香港では2020年に香港国家安全維持法(国安法)が、今年3月には同法を補完する形で国家安全維持条例がそれぞれ施行され、中国や香港政府に批判的な言論は厳しく取り締まられている。

 同公園では19年まで毎年6月4日に大規模な追悼集会が開かれており、同日夜は多くの警官が出て厳戒態勢となっていた。当局は「社会の安寧を乱した疑い」で日本人男性を連行したとしており、男性の行為を天安門事件の追悼だとみなした可能性がある。

 香港の日本総領事館の担当者は男性が一時的に事情を聴かれたことを香港警察に確認したとした上で、「引き続き状況を確認している」と話した。同総領事館はこの日に先立ち、「不測の事態が発生する可能性は排除できない」として、外出先の安全に注意するよう呼びかけていた。(香港=畑宗太郎)

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