「さわる絵本」がある。芝生はざらざら、ひよこはふわふわ。目の不自由な子も、点訳された本文と立体的に表現された挿絵を指でさわって、物語を楽しめる。
3月下旬、大阪市の富永里都乃(さとの)さん(11)が読んでいたのは「そらまめくんのあたらしいベッド」。生まれつき右目は見えず、左目は5センチくらいまで近づいて、色がわかる程度だ。
最初に、母の志都乃さんが最後まで声を出して読んでくれるのを聞いて、それから、さわって読む。
「本物」に近づけるために
「そらまめくん」が、新しいベッドを手に入れるために冒険の旅に出た。小川を越えようとしたが、乗っていた船が「どっかーん」と、壊れてしまった。
「オール、折れてるやん」…