Smiley face
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さわる絵本を楽しむ富永里都乃さん=2025年3月28日午後2時38分、大阪市生野区、岡田真実撮影

 「さわる絵本」がある。芝生はざらざら、ひよこはふわふわ。目の不自由な子も、点訳された本文と立体的に表現された挿絵を指でさわって、物語を楽しめる。

 3月下旬、大阪市の富永里都乃(さとの)さん(11)が読んでいたのは「そらまめくんのあたらしいベッド」。生まれつき右目は見えず、左目は5センチくらいまで近づいて、色がわかる程度だ。

 最初に、母の志都乃さんが最後まで声を出して読んでくれるのを聞いて、それから、さわって読む。

「本物」に近づけるために

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さわる絵本を楽しむ富永里都乃さん(左)と母の志都乃さん=2025年3月28日午後2時28分、大阪市生野区、岡田真実撮影

 「そらまめくん」が、新しいベッドを手に入れるために冒険の旅に出た。小川を越えようとしたが、乗っていた船が「どっかーん」と、壊れてしまった。

 「オール、折れてるやん」…

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