後ろ脚で立ち上がり、2階の窓から安全を見守る。大阪府北部にある府警茨木署の石河駐在所(茨木市大岩)。1匹のミーアキャットが遠くを見つめながら「警戒」する姿が、地域の人たちやSNSで人気を集めている。
推定4歳の雄で、名前はラグ。3年前に茨木市内で「迷いミーアキャット」として見つかり、茨木署が保護した。
2~3週間たっても引き取り手が現れない中、署で保護中のラグを石河駐在所の男性警部補(55)が見かけた。
様子を動画に撮って家族に見せると、「飼ってみたい」と言われ、駐在所兼自宅で迎え入れることが決まった。
インスタ「いいね」4万超
朝や昼には日なたぼっこを兼ね、駐在所2階の窓辺で外を見る「警戒」が日課だ。
6月下旬、そんなラグの姿を大阪府警が公式インスタグラムで投稿したところ、4万以上の「いいね」がつくなど注目が集まった。
ミーアキャットはマングース科に属し、サバンナなどに生息する珍しい生き物だ。
ラグは野菜や果物など何でも食べる。リンゴやキウイが好物で、最近は旬のモモもお気に入りという。
飼い始めた頃は「サル飼ってんのか」「ネコちゃうんか」と声をかけられたが、次第に「通りかかってラグの姿が見られたら、良いことがあるかも」と近所の話題にもなっているという。
ただ、家族以外にはなかなか懐かず、ハーネスをつけたラグは警部補の肩にぴょんと乗り、警戒して「キュキュ」と鳴く。
警部補は「今ではすっかりかわいい家族です。長く生きてほしい」。駐在所の窓から今日も地域の安全に目を光らせている。