「史上最大の強制送還」を掲げるトランプ政権の強硬策により、移民収容施設に入れられる人が急増している。対応が追いついていないとの指摘も出るなか、施設ではいま何が起きているのか。

 米ニューヨークへの玄関口の一つ、ニュージャージー州ニューアーク空港近くの一画。コンテナが並び、貨物列車が大きな音をたてる線路のそばに、一時的に移民を収容する施設「ディレニー・ホール」がある。トランプ政権の移民拘束強化に伴い、今年再開した。

米東部ニュージャージー州にある移民収容施設ディレニー・ホールの外観=2025年7月、杉山歩撮影

 6月12日、金属フェンスに囲われたこの施設から、中南米出身の4人が脱走した。

 弁護士のムスタファ・サティンさんは発生から数時間後、自身が弁護を務める収容者の一人と電話で話し、その混乱ぶりを聞いた。

高まる収容者たちの不満

 サティンさんが聞き取ったと…

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