群馬県高山村で生産されている伝統野菜「高山きゅうり」が、農産物などの名称を知的財産として保護する農林水産省の地理的表示(GI)に登録された。県内では初めての登録で、広く知られるきっかけになればと生産者らは期待している。
高山きゅうりは、高山村の生産者14人で作る「高山きゅうりの会」(平形清人会長)が中心となって生産する伝統野菜で、150年ほど前から地域で種を守ってきた。一般的なキュウリの3~5倍ほどの大きさで、色は白っぽく、表面に白いいぼが付いているのが特徴だ。
青臭さが少なく、皮はパリッとして種も気にならない。「冷や汁」「炊き寄せ」などの郷土料理には欠かせない存在で、生食だけでなく、煮物や焼き物、揚げ物にしてもおいしく食べられるという。
年間の出荷量は12トン以上。村内の道の駅・中山盆地のほか、北関東のイオン系スーパー約20店舗、有機野菜の宅配サービスなどで販売され、少しずつ知名度が上がってきた。平形さんは「最近、若い生産者が2人加わった。生産量を増やしつつも品質を守り、おいしいき高山きゅうりをたくさんの人に届けていきたい」と登録を喜んでいた。今後は加工品にも挑戦したいという。
GI保護制度は、地域ならではの自然や環境の中で育まれてきた農林水産物や食品の名称を地域の知的財産として保護するもので、生産者らの申請を農林水産省が審査し、登録する。全国では神戸ビーフ、夕張メロンなど161産品が登録されている。今回は高山きゅうりのほか、各地の6品目が登録された。