北見緑陵の吉田叶夢(かなむ)主将=2024年6月28日、北見東陵公園、神村正史撮影
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 (28日、第106回全国高校野球選手権北北海道大会北見地区Bブロック2回戦 北見柏陽先攻8―7後攻北見緑陵)

 「高校最後の打席だと思っていた。自然に出たヘッドスライディングだった」

 1点を追う9回裏2死走者なし。マウンドには140キロ超を投げる北見柏陽の山内悠生投手(3年)。1球目はファウル、2球目は見逃しのストライク。追い込まれた。3球目、打ったのはショートゴロ。北見緑陵の吉田叶夢(かなむ)主将(3年)は、一塁へ頭から突っ込んだ。しかし、間に合わなかった。

 主将でありエースでもある。同点の8回から継投したが2失点。「0点で抑えて9回裏までいけば勝てると思っていた」

 チームに3年生は2人だけ。春からの練習では「自分の能力の向上はもちろん、後輩を引っ張っていかないとと思い、自分自身を後輩に捧げた」。

 試合後、むせび泣きながら話した。「1、2年生は人数がいる。来年はここで終わらずに上まで行って欲しい。後輩が入ってきた時から託す気持ちでずっとやってきました」

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