大阪で先行する私立高校の授業料無償化の流れが全国に広がりそうだ。大阪ですでに表れている高校受験や中学受験の「異変」は各地でも起きるのか。関西の大手塾で実績を上げ、現在は全国で塾などを展開する「アップ」(兵庫県西宮市)執行役員を務める吉田努さんに、関西の受験事情の展望を聞いた。
――高校無償化の影響で大阪は私立中学の受験者が増えているようですね
無償化の話が出てきた時は、僕らも「高校の話なので中学入試にはそんな影響ないだろう」って思っていました。でも、それ以上に保護者の方は敏感に動いていますね。
――中学受験はどれくらい増えているのですか
小6の児童数が減っているので、今年、中学受験した子どもは、兵庫も京都も昨年同時期比で減っていますが、大阪だけは7.1%(初日午前、エデュケーショナルネットワーク調べ)増えました。そもそも関西の中学受験パターンは主に二つで、東大や医学部などに行くための学校を狙うか、大学付属系の学校。その他の学校は厳しい状況だったのですが、大阪では無償化で一気に競争に火がついて、そうした私学も手を替え品を替えて、特色を打ち出して志願者を伸ばしています。
――なぜ高校が無償化になると私立中学をめざすのでしょう
大阪の公立高校は、北野、天…