教育費

 自民、公明、日本維新の会の3党が合意した「高校授業料無償化」拡大の影響について、朝日新聞が47都道府県教育委員会にアンケートした結果、31教委が「生徒の選択肢が増える」と評価した。

 一方、13教委は、公立希望者の減少や県外進学者の増加など何らかの影響が出ると答えた。

 無償化の拡大により、各校の生徒募集などに影響があるとみる教委が少なくない現状が明らかになった。

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 高校無償化は、国が授業料を支援する制度。所得制限をつけて1人あたり年11万8800円まで支給してきたが、今年度は所得制限をなくした。さらに来年度は、私立生向けの支給も今より約6万円多い年45万7千円までとし、所得制限もなくす。自公維が2月に合意した。

自公維3党が合意した高校授業料無償化

 朝日新聞のアンケートは6月下旬~7月中旬に実施し、全教委から回答を得た。

 無償化拡大は「受験生に良いと思うか」と尋ねると、「良い」「どちらかと言えば良い」が計35教委。「どちらかと言えば良いと思わない」が1教委。他の11教委は「回答できない」「判断がつかない」「どちらとも言えない」などとした。

無償化の影響、「選択肢増える」

 無償化拡大で考えられる影響は10項目を示して尋ねた(複数回答可)。

 その結果、「生徒の進学の選択肢が増える」を選んだのは31教委。

 理由は、「全ての子どもが世帯収入に関係なく、希望する高校に挑戦できる環境が整えられるため」(山形)などだった。

 ほかの項目は、「公立への進学希望者がやや減る」=8教委▽「私立を選ぶ生徒がやや増える」=10▽「自治体外の高校を選ぶ生徒が増える」=5▽「公立の再編が進む」=2――などだった。

 「生徒の選択肢が増える」と「公立の希望者がやや減る」などを選んだ千葉は、経済的な理由に関わらず生徒の選択肢を増やすことにつながるとしつつ、「県内都市部を中心に、県内及び都内の私立を希望する生徒が増加すると考えられる」と答えた。

 「地方の公立高校の定員割れに拍車がかかる」(熊本)、「広域通信制への進学者の増加」(岐阜)など影響を具体的に書いて答えた教委もあった。

 15教委は「その他」だけを選び、影響は「わからない」「判断できない」「研究中」などとした。

■全国の高校にも調査…

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