終戦の日の15日、5人の高校生が戦争体験者の手記を朗読する。戦後80年を迎え、戦争の「語り部」が少なくなる中、若い世代が当事者の言葉をいまに伝え、継承する。
「これ、ちょっと読んでみたいなあ」
7月中旬、朗読に向けた打ち合わせで、長野市の第一学院高校3年・中野杏寿紗さんは一冊の手記を手にとった。敗戦でシベリアに抑留された同市の故・坂田雪男さんの体験談だ。
戦争の重みやつらさを文字に
極寒の重労働で仲間が亡くなり、凍った遺体をストーブでとかして埋葬した経験などが記されていた。中野さんは「(凄惨(せいさん)な死に)周りの人たちはどんな気持ちだったのだろうか」と声を上げた。
手記を差し出したのは、自分…