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終戦の日の集いで「戦争体験」を朗読する左から渡辺美來さん、丸山和奏さん、主催する細川順子さん、中野杏寿紗さん=2025年7月16日、長野市、北沢祐生撮影

 終戦の日の15日、5人の高校生が戦争体験者の手記を朗読する。戦後80年を迎え、戦争の「語り部」が少なくなる中、若い世代が当事者の言葉をいまに伝え、継承する。

 「これ、ちょっと読んでみたいなあ」

 7月中旬、朗読に向けた打ち合わせで、長野市の第一学院高校3年・中野杏寿紗さんは一冊の手記を手にとった。敗戦でシベリアに抑留された同市の故・坂田雪男さんの体験談だ。

戦争の重みやつらさを文字に

 極寒の重労働で仲間が亡くなり、凍った遺体をストーブでとかして埋葬した経験などが記されていた。中野さんは「(凄惨(せいさん)な死に)周りの人たちはどんな気持ちだったのだろうか」と声を上げた。

 手記を差し出したのは、自分…

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