千葉県成田市議会と高校生との意見交換会が開かれ、高校生は市議と自由に語り合い、市政への要望を伝えるなどした。市内5校から生徒会役員24人と市議27人が参加した。
25日午後、議会棟3階の議場。神崎勝議長は「選挙権年齢も18歳に引き下げられている。新しい風を吹かせて」と歓迎のあいさつをした。
互いに自己紹介後、生徒の緊張をほぐそうと企画された「○×クイズ」が行われた。正答率は、「任期4年」といった地方議員に関する問題は高かったが、「合併した自治体」や「市制70周年」といった成田市関連の問題は、総じて低調。苦笑する市議が目立った。
生徒たちは2班に分かれて、議会棟の見学へ。市議の案内で、議場や正副議長室、図書資料室、議会事務局などについて丁寧に説明を受けた。議長のいすに座るなどしているうちに、緊張がやわらぎ、笑顔が増えた。
「フリーディスカッション」では、市議に対し、要望が相次いだ。「通学に使える交通手段が少ない」「成田の街は若者向きではない」といった切実な声が目立ったほか、「なぜ議員になったのか」という直球のものも。参加した市議たちは、どんな質問にも誠実に答えていた。
初めて参加した成田国際高1年の瀬戸美咲さんは「親身に話を聞いてくれてうれしかった」、2年連続で参加した成田高2年の内山朝和子(さわこ)さんも「毎年フレンドリー。街を良くする活動に興味がわいてきた」と目を輝かせた。
市議会事務局によると、県内でも小中学生対象の模擬議会は多いが、高校生との意見交換会は類例を聞かないという。「最も身近な『政治の学校』である市議会に関心を持ってもらうとともに、議会側が高校生の意見を聞きたい」と2016年度に開始。コロナ禍での中断はあったが復活し、県外からの視察も増えているという。
今年は広報広聴委員会の市議10人を中心に運営した。委員長の鬼沢雅弘市議は「大人からは聞けない意見が多く、議員の刺激になっている。今後も成田市議会の伝統として、続いていって欲しい」と話した。