宮崎県

 第42回全国高校生の手話によるスピーチコンテスト(全日本ろうあ連盟、朝日新聞厚生文化事業団、朝日新聞社主催、NEC協賛)が31日、東京・有楽町朝日ホールで開かれ、宮崎県立妻高校1年の神田実和さん(15)=西都市=が出場し、3位に選ばれた。

 神田さんはスピーチの冒頭で問いかけた。「みなさん、合理的配慮とは何か知っていますか」

 昨年の手話検定1級の小論文に出題された「合理的配慮」の問題でつまずき、不合格だった神田さん。手話サークルの先生に相談し、「地域のろう者の顔を思い浮かべて勉強しなさい」と助言を受けたという。

 手話で会話をするときに、話についていけない自分の表情をみて、もう一度ゆっくりと表現してくれる人がいる。「分かった?」と口形を見せる人もいた。

 逆に自分も、相手に情報を届けるためにできる限りのことをする。「それが合理的配慮だと思います」。見いだした答えを聴衆に伝えた。

 今は相手の手話が分からない時に「もう一回」と伝えるという。「今の社会に足りないものは実際に人と触れ合うこと。たくさん会話することで全ての人が支え合える社会になると思う」。終始大きな身ぶりと豊かな表情を見せて、スピーチを締めくくった。

 スピーチ後、「緊張で手話が速くなってしまったけど、予想以上の成績でうれしい。次の手話検定1級は合格できるよう頑張ります」と話した。

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