11年前、福島県立好間高校(いわき市)で女子生徒有志がフラチームを立ち上げた。東京電力福島第一原発事故の影響で疲弊したふるさとを元気にしたいと、各地で踊りを披露してきたが、学校統合で来年度以降に姿を消す。だが、その踊りに勇気づけられ、自力再生に乗り出した地域もある。彼女たちの思いは受け継がれ、息づいている。
事故から2年余りの2013年10月、同市川前地区。一部で比較的高い放射線量が検出される「ホットスポット」があり、除染作業が進んでいた。この地区の収穫祭で、好間高の女子生徒4人のフラチーム「ウイラニオーラパ」が踊りを披露した。
生徒の代表が「震災と原発事故でふるさとが疲れています。高校生にも何かできないかと考えて練習してきました」とあいさつした。司会を務めていた兼業農家の佐藤可一(よしかず)さん(68)はマイクを握ると、住民たちに訴えた。「東電が悪い、国が何もしてくれないと文句を言ってばかりではだめだ。私たちも何が出来るか考え、動かなければ」
佐藤さんは振り返る。「ふる…