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(9日、第107回全国高校野球選手権宮崎大会2回戦 宮崎西3―5富島) 

 大会屈指の右腕にも、ひるむ気持ちはなかった。三回表、宮崎西が安打や敵失などで2点を先取すると、なおも1死二、三塁の好機が続き、六番の後藤陽人内野手(3年)が打席に向かった。

 マウンドには、速球と鋭いスライダーが武器の富島のエース、神田蒼空(そら)投手(3年)が立っていたが「やってやろう」という気持ちだった。3球目、狙っていたスライダーにバットを合わせ、右中間に運んだ。適時二塁打となり3点目。仲間のいる三塁側ベンチやスタンドが沸き立った。

 宮崎西打線は対戦相手が富島に決まると、神田投手への対策を立ててきた。時速140キロに設定したマシンの速球を打ち込み、内角をえぐるスライダーを想定した打撃練習も重ねた。

 試合に敗れはしたものの計10安打を放ち、優勝候補の一角と互角の戦いを繰り広げた。そのうち3安打を放った後藤内野手は「弱かったメンタルが高校野球で鍛えられました」と振り返った。この日の活躍で得た自信を、今後の人生に生かすつもりだ。

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