7月5日に開幕する第107回全国高校野球選手権群馬大会(朝日新聞社、群馬県高校野球連盟主催)の開会式で、国歌「君が代」と大会歌「栄冠は君に輝く」を独唱する高校生2人の選考会が前橋市の県立前橋工業高校であった。国歌は高崎市立高崎経済大学付属高校3年の吉沢夏葉子(かよこ)さん(17)、大会歌は県立前橋高校2年の萩原基心(きしん)さん(16)に決まった。
審査会には8高校の13人が参加し、それぞれ国歌と大会歌を伴奏なしで独唱。県合唱連盟理事長で声楽家の松原真介さんや、県高校教育研究会音楽部会推薦の元校長・清水郁代さんらが審査した。
吉沢さんは小学生の頃からゴスペルを習い、今は高校の芸術コースで声楽を専攻している。高校野球を題材にした漫画「タッチ」で高校野球に憧れを持ったという。「『君が代』は日本国民誰もが知っている曲なので誇り高い気持ちを持って歌いたい」と抱負を語った。
萩原さんは高校で音楽部に所属。幼稚園の頃にピアノを始め、小学生の頃に「栄冠は君に輝く」の作曲者・古関裕而をモデルにした人物が主人公のNHK連続テレビ小説「エール」(2020年)を見て、作曲家を志すようになった。今は音楽大学進学を目指し、声楽を学ぶ。「高校野球に打ち込む選手たち、また大勢の人の前で歌う自分に向けても、エールを送れるように歌いたい」と話した。