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第107回全国高校野球選手権千葉大会の開会式でグラウンドに整列する選手たち=2025年7月5日午前10時42分、ZOZOマリンスタジアム、中野渉撮影

 第107回全国高校野球選手権千葉大会の開会式が5日、ZOZOマリンスタジアム(千葉市)で開かれた。163校147チームの選手らが入場行進し、大勢の観客が大きな手拍子で迎えた。試合は10日から始まり、日程が順調に進めば、決勝は26日に行われる。

 午前10時に始まった入場行進では、約2700人の選手がグラウンドを一周し、中央に整列した。オリジナルのかけ声で進むチームや、腕を高く振り上げ全員が声を張るチームなど、個性が光った。

 習志野と拓大紅陵の吹奏楽部は、迫力のある演奏で行進を盛り上げた。国歌斉唱では、選手らとともに八千代松陰の合唱部が美しい歌声を響かせた。スタンドには約5千人が詰めかけ、選手たちの晴れ舞台を見届けた。

 県高野連の早川貴英会長は「ここまで頑張ってきた自分を褒め、堂々とそしてうれしさを持ってプレーして下さい。高校野球のすばらしさを次の世代に伝えて下さい」とあいさつした。

 朝日新聞社の永田稔・千葉総局長は「応援は選手に力を与え、奇跡を起こす。まずは1勝、そして最高の夏になることを願う」と話した。

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入場行進する昨年優勝の木更津総合の選手ら=2025年7月5日午前10時19分、ZOZOマリンスタジアム、芹沢みなほ撮影

市川工・小国主将が選手宣誓

 「チームのために、応援してくださる皆さんのために、一瞬一瞬にときめきながら、全力で戦い抜くことを誓います」。市川工の小国佐杜利(さとり)主将(3年)は選手宣誓をこう締めくくった。

 「楽しむことが一番大事」と思っていたといい、笑顔でじっくり球場全体を見渡し、深呼吸をしてから宣誓台に立ち、力強く語り始めた。

 前夜、父親から「がんばってこい」と励まされた。全力でプレーするという意気込みと、チームメートや先生、そして12年間の野球生活を支えてくれた父親への感謝を詰め込んだ。

 当日は会場へ向かうバスに乗り込んだ時から緊張していたという。それでも「千葉県で唯一自分が輝いているんだと感じながら、やりきれた。悔いはない」と笑顔を見せた。

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選手宣誓をする市川工の小国佐杜利主将=2025年7月5日午前11時3分、ZOZOマリンスタジアム、武田百花撮影

千葉商大付の池田さん先導

 選手入場の先導役は、千葉商大付の池田隼晟(しゅんせい)さん(3年)が務めた。堂々と腕を振ってグラウンドを歩き終え、「大役をやりきれてよかった」と肩の力を抜いていた。

 レギュラー入りを目指して練習を積んできたが、今年に入ってからは練習試合で結果を残せない日々が続いた。5月、吉原拓監督に「チームが勝つのが一番。自分は力不足なので応援に回りたい」と申し出て、サポート役に回った。

 今年のチームは、一度波に乗ると止まらないのが強み。「一戦一戦気を抜かず、とにかく上をめざして頑張ってほしい」。精いっぱい応援するつもりだ。

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選手たちを先導する千葉商大付の池田隼晟さん=2025年7月5日午前10時5分、ZOZOマリンスタジアム、中野渉撮影

習志野×拓大紅陵コラボステージも

 開会式後には今年も習志野と拓大紅陵の吹奏楽部による「コラボステージ」があった。

 野球応援メドレーでおなじみの応援曲が次々に奏でられると、スタンドの客らは手拍子と声援を送って熱戦への期待に胸を膨らませた。メドレーの後には両校のチャンステーマ「チャンス紅陵」と「レッツゴー習志野」を一つにしたオリジナル曲「ツインクリムゾンパワー」をスタジアム中に響かせた。

 習志野の木下育人部長(3年)は「いよいよ大会。選手の後押しができるよう演奏する」と気合を入れ、拓大紅陵の桐生ひなた部長(同)は「暑い中、たくさん練習してきた選手たちへ、全力で曲を届けたい」と意気込んだ。

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コラボ演奏を披露した習志野と拓大紅陵の吹奏楽部員=2025年7月5日午後0時8分、ZOZOマリンスタジアム、宮下晶撮影

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