第107回高校野球選手権岩手大会は9日、きたぎんボールパークで開会式と開幕試合があり、58校52チームによる熱戦が始まった。開幕戦は接戦となり、盛岡四が花北青雲を振り切った。10日は花巻球場でも試合が始まり、計6試合が行われる。
晴天の下に行われた開会式。花巻東のダンス部、佐々木賢治さんや盛岡白百合学園の生徒たちに先導され、58校52チームの選手たちが元気よく手を振って行進しながら入場した。
開会式で、県高校野球連盟の菅原基会長は「本県高校野球が最も大切にしているのは、野球を通じての人間的成長。どのチームも持っている可能性は無限大です」と激励した。
朝日新聞盛岡総局の内海亮総局長は「対戦相手を尊重し、フェアプレー精神で全力を尽くしてください」と述べた。
開会式後、高校野球の発展に貢献した指導者に贈られる「育成功労賞」に選ばれた現花巻南野球部コーチの田巻晃さん、岩手県高野連の「特別表彰」に決まった前高野連会長の瀬戸和彦さんが、それぞれ表彰された。
開会セレモニーでは、盛岡四の音楽部が華やかな歌声を響かせた。また福岡、花巻北、黒沢尻北、水沢、一関一の生徒たちによるバンカラ連合が、選手たちに熱いエールを送った。
「連合チームでも勝ちたい。単独チームと同じように甲子園をめざして切磋琢磨(せっさたくま)します」
大野・葛巻・伊保内連合の有坂昌剛主将は、岩手大会で連合チームとして初めて行った選手宣誓で、力を込めた。人口が減る地域でも「野球ができる喜びは同じ」だと訴えた。
開会式が終わり、走って退場する際、チームメートに「良かった」「かっこいい」と褒められたという。「きょうはやりきりました。後はもう、勝つだけです」と言い残し、球場を後にした有坂主将。10日にきたぎんで初戦に臨む。