第107回全国高校野球選手権群馬大会(朝日新聞社、群馬県高校野球連盟主催)が7月5日に開幕するのを前に座談会を開き、春夏3回甲子園に導いた前橋商前監督の住吉信篤氏(51)=現・桐生市商定時制教頭=、県高野連元理事長の富沢渉氏(70)、前理事長の樽見尚人氏(67)に展望を語ってもらった。
- プロ入りの夢と、譲れない今と 健大高崎・佐藤投手の1年
Aブロック 利根商、采配に注目
――第1シードは昨夏優勝の健大高崎。
住吉 健大高崎の優位は揺るがない。絶対的エースの石垣元気に下重賢慎らがいる。打撃は昨年ほどの爆発力はないと見ているが、攻撃は多彩。
富沢 健大高崎は今年も有力。ただ、一昨年まで8年間、夏の甲子園に出られなかった。やはり夏は「別物」でもある。
――第4シードは北毛の雄・利根商が入った。
樽見 桐生第一時代に全国制覇に導いた福田治男監督の采配に注目している。太田工、伊勢崎も楽しみな存在。
住吉 関東学園大付は右左の好投手がいて、攻撃力もある。
Bブロック 東農大二・前橋商 有力
――今春の選抜選考で惜しくも次点だった東農大二が第3シード。
住吉 今年の夏、健大高崎と勝負するには制球力のある左右の投手が必要。東農大二は右の本格派・山田琉聖と制球がいい左の蛭川敬介がいる。
――住吉氏が率いた前橋商が第4シード。
住吉 前橋商も制球がいい右の堤雅翔ら複数の好投手がいる。健大高崎に勝てるとしたら東農大二か前橋商かと考えていたが同じブロックに入った。主将で捕手の小板橋快斗、遊撃手の水谷琉樹斗を中心にセンターラインがしっかりしている。
富沢 樹徳、高崎経済大付も地力がある。高崎東は好投手の深町旺輝がいて打撃もいい。激戦ゾーンで非常に楽しみ。
Cブロック 桐生第一、底知れぬ力
――第2シードに春の県大会準優勝の桐生第一。
富沢 桐生市は「球都」と言われる。かつて桐生の監督だった稲川東一郎さん(故人)のDNAを引き継いでいるのが桐生第一の今泉壮介監督だと感じる。昨夏も健大高崎と激戦を演じた。底知れぬ力を持っている。
住吉 春の県大会で五回まで健大高崎を1―1に抑えた前橋も注目。井野竹虎が丁寧に投げた。
――Cブロックには公立の有力校が集まった。
樽見 前橋、沼田、館林、市太田、高崎、富岡、高崎商、前橋南、前橋東など実力校ぞろい。私立の高崎商大付もいる。激戦のブロ
Dブロック 前橋育英 打線に期待
――第3シードの前橋育英の打線は注目だ。
富沢 4番の原田大聖を中心に打線は強力。
住吉 選手個人の能力が高い。明和県央と桐生の勝者との初戦は注目。
――好投手擁する第4シードの桐生市商は。
樽見 桐生市商のエース小野楓倭は調子がいいときはものすごくいい。調子を維持できるか。勢多農林も投手の蓬田正太郎もいいと聞く。
住吉 桐生市商の小野は素晴らしい投手。多田和真という強打者もいて嚙み合うと面白い。新田暁はまとまりがある。
富沢 桐生清桜と太田東も好試合。太田東の投手は変則的。桐生清桜は打力をつけてきた。桐生は松本稔監督の指導法が浸透してきている。