Smiley face
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真剣な表情で対局をする選手たち=2025年8月7日午後3時35分、東京都中央区、角野貴之撮影
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 全国の高校生らが2人1組のチーム戦で、頭脳スポーツとして麻雀(マージャン)の腕を競う第1回全国高等学校麻雀選手権大会(朝日新聞社主催、コナミアミューズメント、セガ協賛)の本選が7日、東京で始まった。決勝は8日に行われる。

  • 【写真まとめ】全国高校麻雀選手権大会 24チームでの本選が始まる

 大阪、東京で計5日間、全部で286チーム572人が参加した予選を通過し、本選出場を決めたのは22チーム。本選、決勝と進み優勝することはもちろん難しいが、予選通過だけでも相当な確率を勝ち抜いたといえる。

 予選通過の実績と賞状を持って、学校に麻雀部や同好会設立の申請を考えている高校生たちがいる。

 東京学芸大学付属高校の近藤達陽(たつはる)さん、平木凜仁(りんと)さんは東京2日目、本選出場ぎりぎりの6位に食い込むと、天を仰いだ。

 近藤さんは「前に申請した時は通らなかった。実績があると顧問もついてくれるはず。これでようやくという感じで、うれしい」。平木さんも「人数が足りていても先生に『学校でやる意味はあるのか』と言われてしまう。まずは始業式に表彰してもらえるようにしたい」と意気込む。

 東京2日目に首位で通過した千葉県立船橋高校の山本拓実さん、新行内海生(かい)さんも、同好会の申請をしようとしている。山本さんは「実績も何もないと遊んでいると思われてしまう。やっと一歩進む」と喜んだ。

 本選出場チームを見ると、すでに麻雀部や同好会があるなど、組織的に活動している学校の強さも感じる。

 久田朝陽さん、北村大輝さんと内田マクシムさん、天野誠人さんの計2チームが本選に進んだ神奈川県立岸根高校や大阪2日目の予選を首位通過した福田煌輝(こうき)、村田有希真(ゆきまさ)さんのいる兵庫県立姫路東高校には、麻雀同好会がある。東京3日目の予選で個人成績トップだった内田さんは「学校では初心者扱いされているので、想像していなかった。部のみんなに教えてもらってコツが分かってきたかも」と語った。

 東京3日目に首位通過した片桐龍さん、酒井伶さんのわせがく高校は今年の春に麻雀部ができたばかり。部員集めに奔走した部長の片桐さんは「Mリーグを見て麻雀が好きになったので作った。みんなが集まれる場所が作れて、結果も残せたのがうれしい」と納得した表情を見せた。

 麻布高校は東京2日目の本選出場6チームのうち半分の3チームを占めた。大塚建命(たける)さん、グエンニャットナムさん、榊原侑希さん、井上誠也さん、白井凌太さん、喜田悠之亮さんの6人は全員1年生だが、中高一貫校で付き合いは長い。

 学校内での麻雀は禁止されているという。なので、集まるのは学校近くにある地域の施設。本選に出場する選手を含めた同学年25人で約1カ月にわたって5人1組のチーム戦を行うなどして、腕を磨いてきた。白井さんは「全員でやってきた結果が出た。結果を残し続けて、学校でも打てる日が来るとうれしい」と語った。

 本選は予選を勝ち上がった22チームと、プレ大会で優勝した2チームの計24チーム48人が8半荘(ハンチャン)ずつを戦う。上位4チームが決勝に進んで2半荘ずつ競い、8日の夕方に初代優勝チームが決まる。

     ◇

 本選1日目は各選手が5半荘ずつ戦った。1日目の1位から10位までの結果は以下の通り。(敬称略)

 1位 大塚建命、グエンニャットナム(麻布高校)236.1ポイント

 2位 熊沢和史、藤塚勇海(浅野高校)207.2ポイント

 3位 森さゆり、井出葵音(あおと)(松実高等学園)180.3ポイント

 4位 佐藤航太、岩田智則(神戸大学付属中等教育学校)179.3ポイント

 5位 柴田優希、奥田廉叶(れんと)(大阪府立夕陽丘高校)160.5ポイント

 6位 榊原侑希、井上誠也(麻布高校)149.0ポイント

 7位 片桐龍、酒井伶(わせがく高校)141.2ポイント

 8位 紀平一磨、小林温太(はるた)(東京都立小石川中等教育学校)115.3ポイント

 9位 木村太一、寺田悠人(立命館守山高校)103.7ポイント

 10位 白井凌太、喜田悠之亮(麻布高校)77.1ポイント

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