岡山県高梁市で初めての小中一貫(9年制)の市立義務教育学校「有漢(うかん)学園」(菅野秀昭校長)が開校し10日、市内で開校式があった。義務教育の9年間、一つの学校に通うことで、中学校進学時の環境変化のギャップを緩和し、特色ある教育活動を行う狙いがある。
開校式には、子どもの減少により3月に閉校した有漢東小と有漢中に通っていた児童生徒や新入生計131人のほか、地元町内会長や関係者ら計約220人が出席した。
式で石田芳生市長は「新たな学びの場で、きめ細かな教育が受けられるようになる。失敗を恐れずに様々なことに挑戦してほしい」と呼びかけた。児童生徒を代表して佐分利芽未(めぐみ)さん(9年)が「新たな学校での学びを通して自分自身を成長させ、よりよい未来を切り開いていきたい」と述べた。
校歌斉唱では、市出身の歌手・音楽プロデューサーのラグズ・アンド・ジェラさんが作詞作曲した校歌を児童生徒たちが元気よく歌った。
学校によると、9年間のうち最初の4年を「基本的な学習や生活習慣の確立」、次の3年を「自主自立の育成」、最後の2年を「自己を見つめ夢実現の準備」の3段階に区分する。総合学習の時間に地域住民の協力を得て米作りをするといった課題解決型の学習「地域ふるさと学習」などに取り組む。
県教委によると、県内の小中一貫の義務教育学校は岡山市、総社市に各1校、美咲町に2校あり、4月に有漢学園と浅口市立寄島学園が同時開校し、計6校になった。