人口4千人ほどの豪雪地帯の山村から、夢をつかんだシンガー・ソングライターの高橋優さん(41)。いまは秋田で定期的に音楽フェスを開くなど、地元への「恩返し」を続ける。新作「HAPPY」に込めた思い、そして高橋さんが描く夢とは――。
夢をかなえた、夢に向かう、夢を与える……。そんな東北にゆかりある人たちの活躍を、ロングインタビューでお届けします。
「幸せ」を真剣に考える問いかけ
――アルバム「HAPPY」に込めた思いは。
幸せっていうことを真剣に考えたり話したりする機会って、みんなあるんですかね? 「最高」「マジやばいね」「すごい」。言い方は違うけど、実は日常の色々なところにあるような気がして。一方で、やはり曖昧(あいまい)な部分もあると思うので、そこへの問いかけというか、改めて自分の歌詞として、作品として届けてみたいと思いました。
――新しいツアーも始まります。
大前提として、音楽は楽しんでもらえるのがうれしい。そんな中で「いまなんて言った」って考えながら、15秒ぐらい巻き戻して聴いてもらうのもうれしいです。
僕は、楽曲の完成形はライブだと思っています。そこでは考える機会があって、泣くことも笑うことも許されるし、叫んでもいいし踊ってもいい。リアクションはお客さんが選べるんですよ。
――新作でお薦めを1曲あげると。
「リアルタイムシンガーソングライター」という楽曲を先行配信しています。アルバムを手に取る前にぜひ聞いてほしいという思いを込めた曲です。40周年を迎えた「あきたこまち」のテレビCMにも使ってもらっています。
手の届く範囲を歌ってきた中での危機感
――アルバムの中の1曲「明日から戦争が始まるみたいだ」はインパクトのあるタイトルです。
前回のアルバムタイトルは「ReLOVE&RePEACE」。「ラブアンドピース」という言葉を、この現代に改めてという意味で、全国ツアーのタイトルにもなった。
リリースは22年10月。2…