NHKは、世界で初めて第2次世界大戦の記録フィルムを8Kなどに高精細化して番組をつくった。「映像の世紀 高精細スペシャル ヨーロッパ2077日の地獄」と題して21日から3週連続で放送する。映像が鮮明になったことで、強さを喧伝(けんでん)したナチス・ドイツのヒトラーの「衰え」も浮かび上がる番組になっている。
第2次大戦は、映画制作にも使われた高解像度の35ミリフィルムで多くが記録されている。だが、これまでテレビで放送してきた映像は、コピーを繰り返す中で画質が劣化。終戦から80年の今年を節目とし、ドイツや米国などの公文書館に保管されていた約50時間分の映像を8Kなどに高精細化した。これを基にした2K放送でも、きれいな映像を見ることができるという。
番組は、カラー化も施し、1939年から45年までの第2次大戦を映す3部構成で描く。高精細化によって、強さや一体感を誇示するナチスのプロパガンダ(政治宣伝)のほころびがあらわになるところが見どころの一つだ。ナチスの宣伝大臣ゲッベルスの演説の映像では、熱狂する群衆の中に戸惑いの表情を見せる人の姿が映像から浮き上がる。
拡大すると………
また、ヒトラーが老眼鏡を手…