公正取引委員会による調査や処分の一部=公取委のHPより

 東京都内の高級ホテル15社が価格カルテルにつながる恐れのある情報を交換していたとして、公正取引委員会が近く、独占禁止法違反の疑いで再発防止を求める警告を出す方針を固めた。

 警告とはどのような手続きなのか。

 独禁法は、自由な競争を促進して、事業者が自主的な判断で活動できるようにすることを目的とする。消費者から選ばれる魅力的な商品を供給しようと競争し、消費者にとっては豊富な商品から自分の欲しいものを選べるようになることにもつながる。

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 このため、本来は各事業者が自主的に決めるべき商品の価格などを共同で決め、競争を制限する行為は、価格を不当につり上げるカルテルとして禁じている。「紳士協定」や「口頭の約束」など、申し合わせの形式は問わない。

 公取委は、カルテルなどの疑いがある場合、立ち入り検査などによって関係書類や関係者の供述などを集める。違反を認定した場合は行政処分にあたる排除措置命令や課徴金納付命令を出す。

 そうした措置を採るに足る証拠が得られなかった場合でも「違反するおそれがある行為があるとき」は、関係事業者などに対して文書で「警告」し、行為をやめることなどを指示する。これが今回、公取委が方針を固めた警告だ。行政指導にあたり、事前に事業者が意見を述べる機会「事前手続」がある。

 公取委は、警告よりも軽い「注意」をすることもある。違反行為の存在を疑うに足る証拠が得られないが「違反につながるおそれがある行為がみられたとき」だ。事前手続はなく、電話などによって行われる。

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