深夜割引適用待ちのトラックで渋滞が起きた東名高速東京料金所=2023年1月16日午後11時59分、川崎市、古城博隆撮影

 NEXCO3社(東日本、中日本、西日本)は28日、7月にも実施予定としていた高速道路料金の深夜割引の見直しを延期すると発表した。4月にNEXCO中日本管内で発生した大規模なETC障害の影響で、新たな開始時期は未定。2024年度末としていた当初計画からは2度目の後ろ倒しとなる。

 現行の深夜割引は、午前0~4時に少しでも走行すれば全区間の料金が3割引きとなるが、見直し後は対象時間を午後10時~午前5時に3時間拡大し、時間内に走った距離に応じて3割引きとするといった内容だ。合わせて、400キロ以上の長距離利用の料金引き下げ率を拡大する。

 NEXCOはこれまで、走行距離を把握するアンテナを設置し、料金徴収のシステムを新たに構築してきたが、24年末にシステム整備に時間がかかっているとして、4カ月程度の延期を公表。さらにNEXCO中日本のETCの大規模障害を受け、システム整備を中断して再点検をしており、7月の運用開始は難しいと判断した。

 深夜割引の見直しは、一部の料金所付近での割引待ちのトラック渋滞を抑止することなどが目的で、トラック運転手の労働環境の改善に向けた業界の要望を受けて、国土交通省が23年に方針を示していた。

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