大型連休後の渋滞。車列がほとんど前に動かない状況も珍しくない=2025年4月10日、ジャカルタ、河野光汰撮影

 世界最大規模のムスリム(イスラム教徒)人口を抱えるインドネシアでは、日中の飲食を断つラマダン後の大型連休に人々が一斉に移動し、交通事故が頻発することが問題となってきた。今年の連休は事故件数が減り、当局は対策の成果を強調している。一方で、手放しで喜べない事情も指摘される。

 連休明け初日の8日、首都ジャカルタ中心部に日常の風景が戻った。連休中は外を走る車両もめっきり減っていたが、この日は車列の間を縫うようにバイクタクシーが走る。「世界最悪レベルの渋滞都市」と称されるゆえんだ。営業職の女性会社員(29)は約150キロ東のバンドンに帰省していたといい、この日が連休明けの初出勤。「毎年、この日は前日から憂鬱(ゆううつ)だ」と肩を落とす。

 約1カ月のラマダン期間中、ムスリムの多くは未明に起床し、日の出前に食事を取る以外、日没まで何も口にしない。断食していない人も同僚への配慮で、オフィス内では目立たないように水を飲むなどする。

 ラマダン後の大型連休は、日…

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