和歌山県高野町立高野山中学校で16日、新入生が地場産業の林業や町内の森で育てられている木々の特徴について学ぶ「木育」の授業があった。町産のヒノキ材を使って自分たちが3年間使う学習机の製作にも挑戦した。
町立高野山小・中学校で木育の授業を長く担当してきた高野山寺領森林組合理事の西田安則さんが「高野六木(りくぼく)」について説明。六木とは、寺院や伽藍(がらん)の建築や修繕のために大切に育てられてきたスギ、ヒノキ、コウヤマキ、アカマツ、モミ、ツガを指す。
京都迎賓館の建築の際に1本約1千万円の町産のアカマツ材を納入したこと。江戸時代に再建された高野山の大門には六木すべてが使われているが、柱は奈良県産のケヤキを買い付けたとの記録が残ること。西田さんは林業の現況と高野山の歴史を織り交ぜながら授業を進めた。
その後、生徒15人は学習机を製作。森林組合の従業員3人から手助けを受けながら、電動工具を使って木板をネジで止めたり、金属製の脚を取りつけたりした。
学習机は3年間使い、卒業時に天板の部分を再利用して折りたたみ式の机に作り替えて自宅に持ち帰るという。東華綸さん(12)は「ネジを打ち込むのが難しかったけれど、上手に完成できてうれしかった。末永く大事に使いたいです」と話した。(大野博)